スポーツクラブで運動した後の筋肉痛はどうしたらいい?緩和方法・ケアについて
健康を維持するためにスポーツクラブで運動した後、気持ち良さとともにゆっくり襲ってくる筋肉痛。頑張るほどに辛いものです。継続的に運動を続けたいのに、筋肉痛が怖くて次まで間が空いてしまうこともあります。この記事は筋肉痛の原因と、筋肉痛になったときの緩和方法やケアについてご紹介します。
運動のあとに筋肉痛になる原因は?
一般的に筋肉痛は運動後、数時間や1~2日後に襲ってくるため「遅発性筋痛」のことを指します。久しぶりに運動したときや、いつもは使わない筋肉を使い過ぎたときにおこります。
なぜ運動をすると筋肉痛になってしまうのか、実は医学的にはっきりと分かっているわけではありません。いくつか説がありますが、中でも現在有力な説となっているのは、運動により傷ついた筋繊維を修復するときに起こる痛みというものです。筋肉は筋繊維から構成されており、この筋繊維や周りの組織は激しい運動をすると微細な傷がつきます。この傷を修復するために白血球などが集まって炎症が起き、痛みを感じるというものです。筋繊維自体には痛みを感じる神経は存在しないので、炎症が起こってすぐは痛みを起こす刺激物質があっても痛くありません。
しかし炎症がさらに広がると、刺激物質が痛みを感じる筋膜にまで届きます。これが、筋肉痛があとから遅れてやってくるメカニズムと考えられています。普段から使っている筋肉には毛細血管がよく発達しているため、筋繊維が損傷してもすぐに修復が進むため筋肉痛は起こりにくい状態です。
一方、筋肉をあまり使っていないと周辺の毛細血管の発達は十分ではなく、修復成分が届くまでに時間がかかる上に刺激物質が産生されるまでにも時間がかかるため遅れてやってくるのではないかと言われています。よく「若い人ほど筋肉痛が早くくる」と言われますが、実は年齢差による差は認められなかったという調査報告もあり、実際には年齢差というよりも運動量の差ではないかと考えられています。
ひどい筋肉痛の緩和方法・ケア方法
ふだんの運動には、筋肉が伸びながら力を発揮する運動、縮みながら発揮する運動、伸び縮みせず力を発揮する運動の3種類があります。なかでも筋肉が伸びながら力を発揮する運動は筋繊維にかかる負荷が大きくなり、損傷が起こりやすいため筋肉痛が起こりやすくなります。
具体的には階段や坂道を下りるとき、重い荷物を下ろす、懸垂などで身体を下ろす運動です。もし筋肉痛になったら、ほとんどは痛みを緩和しながら筋繊維の回復をサポートするケアで回復します。セルフケアとしては、ぬるま湯でのゆったり入浴やストレッチで血行をよくし、十分に身体を休めることです。
また栄養のある食事をバランスよく摂ることも大切です。筋肉を補修するためには肉や魚、卵といったたんぱく質はもちろん、血行促進効果のあるビタミンC・Eも大切です。痛みがひどい時には市販薬も有効です。痛みを鎮め炎症を抑える成分としては、ロキソプロフェンやインドメタシン、フェルビナクがあります。
炎症を抑えるグリチルリチン酸や、メントールなどの冷感成分、カプサイシンなど温感成分が配合されているものも有効です。回復を促すため血行改善成分としてビタミンEが配合されているものもあります。市販薬であっても皮膚が敏感な方や妊娠中、子ども、ぜんそくのある方は注意が必要な成分もありますので、必ず薬剤師に相談してから購入しましょう。
一方、注意が必要な場合もあります。筋肉痛は最長でも72時間程度と言われます。1週間以上痛みやこわばりが取れない場合や、身体の一部に激痛がある場合、全身に痛みがある場合や薬で改善がみられない場合です。筋肉痛だと思っていたら別のけがや病気が隠れていることもありますので、医療機関を受診しましょう。
必ずしも筋肉痛=効果が出ているとは限らない
運動後に筋肉痛が出ると、トレーニングの効果が出たと思い満足しがちですが、必ずしもそうではありません。新しいトレーニングを始めた最初の1~2週間は軽い痛みが出ても当然ではありますが、3日も痛みが続くときは逆にトレーニングの質が良くないことを表しています。
スポーツジムであればウェイトやボリュームが自分に合っていない、似たようなトレーニングばかりで筋肉への負荷が偏っている、ウォームアップが足りない、といった原因が考えられます。筋肉痛と運動の質は比例しないため、逆に言えば筋肉痛が出なかったからといって意味がなかったとも言えません。
ある程度筋肉が発達してくると、逆に筋肉痛が出なくなってくるからです。大切なのは、筋肉痛が出るように運動することではありません。ひとつひとつの運動で効果がでる部位を意識しながら、運動のパターンを増やしていくことです。
またいきなり負荷をかけすぎると強い筋肉痛がきて運動が続けられなくなってしまうため、現状を把握して少しずつ負荷を上げていくことです。スポーツジムのトレーナーなどに客観的に見てもらうことも有用です。
まとめ
今回は、筋肉痛の原因とその緩和方法、ケアについてご紹介しました。血行をよくして栄養と休養を取り、回復をサポートするセルフケアによって筋肉痛は徐々によくなります。筋肉痛があるからといって運動の質が高かったということではありません。運動は健康になるための手段であって、あとで動けなくなるほどやりすぎてもいけません。また筋肉痛があるときに無理に運動すると肉離れなどのけがにつながることもあります。自分の身体と相談しながら、時には客観的なアドバイスを受け効果的な運動習慣を身につけましょう。